頬にかかる風が冬の気配を帯びてきたある日の午後、
利用者のKさんから電話があった。
「体調もだいぶん良くなったから、ヘルパーさんを年内で終了しようかと。
また一人で頑張ってみます。」
Kさんは70代後半の女性の方で、早くにご主人を亡くされお一人での生活を送られていた。
今年に入り転倒しお怪我をされたことから入院。
退院後ご自宅での生活を再開するために、私たちの訪問介護サービスを利用されていたのだが、Kさんは私たちの支援を利用しながらご自身の力を取り戻し、また自立した生活に戻られると言う。
高齢者の自立した生活とは、
「自立した日常生活、社会生活を営み、自分の人生のあらゆることを選択し自らの力を持って生きていけること」
Kさんはまさにそれを体現されている。
「ヘルパーさん、またお見かけしたら声をかけていいでしょうか?」
「はい。その時は是非声をかけて下さい。」
そんな会話をし清々しい気持ちで電話を切った。
私たちはご利用者様の「自立支援」のために日々訪問介護を行っているが、
私たちのサービスが少しでもKさんのお役に立てたなら何より。
卒業の時期には少し早いが、Kさんに卒業証書を差し上げたいと思った。
訪問介護 M